近藤夢が読んだ風俗本を紹介いたします。
「私は障害者向けのデリヘル嬢/大森みゆき 」
■以下本文引用
「キスしてもいい?」
私は頷いた。しかし、唇を近づける一瞬、ためらう。歯が、汚れているのが見えた。歯磨きをおろそかにしているお客様は、風俗時代にも多かったし、身体が不自由だと、歯磨きを毎日丁寧にするのは難しいだろう。さっき服を脱ぐときも、腕を動かしづらそうだった。あの腕で、歯磨きをきちんとする、というのは酷だろうなあ。
歯並びもあまりよくなくて、汚れが詰まっているのが見える。触れば、ぬるっとしそうだ。でもそれは仕事。やっぱり嫌です、ともいえない。今までだって、もっとすごいところを舐めてきたじゃないか。私は、えいっと意を決してキスをした。
まず、性器を洗浄綿で拭く。
「デイサービスでお風呂に入っているから、軽くで大丈夫ですよ」
東田さんのそこは、まだ大きくなっている状態ではなかったので、亀頭の部分をそっと指で押し出し、皮を剥いて拭こうとした。その瞬間、「うっ」と私は声を詰まらせてしまったのだ。
多分本人も知らないだろうが、その部分には、垢が真っ白にこびりついていたのである。そこはもちろん誰でも一番汚れやすいところなのでしかたがない。風俗でも、剥いてボディーソープをつけて丁寧に洗うのが当然の場所なのである。
だけど、これは……。
(中略)
私は洗浄綿でごしごし拭いた。が、白い垢は取れているのか取れていないのか、消しゴムのカスのように性器にくっつくだけで、あまりきれいにならない。洗浄綿がこすれてカスのように出てきているのだろうか。判断がつかない。
「お風呂に入っているから、そんなにこすらなくても大丈夫だと思います」
東田さんがいう。さっきもいったでしょう、という感じで。
本人はきれいだと思っているのに、あまりごしごし拭かれたら、誰だってよい気分はしないだろう。
■内容紹介
風俗の経験6ヵ月、介護の経験ゼロの女の子が出会った障害者の性の現実を、彼女自身がリアルな言葉ですべてを綴ったノンフィクション。
車椅子のお客様、寝たきりのお客様、意思疎通のできないお客様、目の不自由なお客様……。障害は人によって違う。悩みも人によって違う。
私はそれぞれに見合った性的サービスができているだろうか?
少しでも役に立ちたい、もう知らないふりはできないから…これを読めば、世の中が違って見えてくる。
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